【新聞:岩手版】果樹と畜産の複合経営 循環型農業に全力

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】果樹と畜産の複合経営 循環型農業に全力

[2026年4月3週号]

【盛岡南】果樹と畜産の複合経営に取り組む盛岡市大ケ生の一盃森慎吾さん(26)。祖父母から「一盃森農園」の園主を受け継ぎ、循環型農業でコスト削減とリスク分散の両立を目指す。加工品の販売やイベントの開催など、新たな挑戦にも奮闘する。

「毎年ひとつずつレベルアップしていきたい」と話す慎吾さんと美月さん

 

リンゴと牛肉で経営安定 資源循環でコストを削減

 

 「幼い頃から農業をやりたかった」と慎吾さん。農業大学校で畜産を学び、卒業後すぐに祖父母が経営する一盃森農園へ就農した。現在は妻の美月さん(26)と祖母の3人で「ふじ」や「つがる」など約15品種のリンゴ2㌶を栽培しながら、繁殖用肉牛6頭、子牛5頭を飼養する。

有機肥料を使用したリンゴ栽培に取り組む慎吾さん。「資源を無駄なく循環させている」と話す。4月~5月に10㌃あたり約300㌔の堆肥を園地に散布し、規格外のリンゴは牛の飼料にしている。

「収益の7割を果樹が占める一方で、畜産が経営の安定を支えている。片方が不調の時は、もう片方で補える安心感がある」と慎吾さん。牛の健康維持とストレス低減のため、夏季は牧野での放牧や適度な運動を取り入れている。

収穫したリンゴは、市内のスーパーや産直で販売する。また、昨年は規格外の「ふじ」と「ジョナゴールド」を加工したジュースの商品化にも挑戦した。「酸味と甘みのバランスを生かしたジュースに仕上がった。たくさんの人に味わってもらいたい」と美月さん。ECサイトでの販売を目指す。

昨年は地域おこし協力隊と連携し、リンゴの収穫体験イベントを開催した。慎吾さんは「今後はイベントの開催や出店を通して、消費者との直接的な関わりを増やすことが目標」と話す。


ページ上部へ