【新聞:岩手版】自家栽培とパン製造の両立

農業共済新聞岩手版・東北営農技術版

【新聞:岩手版】自家栽培とパン製造の両立

[2026年7月1週号]

 【盛岡北】八幡平市の「農家パンVERUM(ヴェルム)」を経営する羽沢茉奈さん(34)。グルテン含有率が少なく、健康にも良いとされる古代小麦など3種類の小麦を農薬不使用で栽培し、自作の石窯を使ってパンを製造・販売している。「自家産小麦100%のパン」を目標に栽培技術の向上に努めている。

古代小麦、在来種など栽培

 カナダのワーキングホリデーをきっかけに飲食業に関心を抱いた羽沢さん。帰国後、京都府のベーカリーでパン製造技術を学んだ。羽沢さんは「幼いころ、母がよくパンを焼いていた。我が家では、パン作りがごく身近な光景だった」と振り返る。

「将来は自分で栽培した小麦のみを使用してパンをつくりたい」と羽沢さん

 24年からは父の実家がある八幡平市に移住し、パンの製造・販売をしながら、50㌃の圃場で小麦を栽培している。「健康に良く、昔からある古代小麦に興味を持った」と羽沢さん。古代小麦、岩手県在来フルツ小麦、ライ麦を農薬不使用で栽培する。小麦はそれぞれ9月中旬に播種。在来種は6月下旬、古代小麦とライ麦は7月中旬に収穫する。羽沢さんは「農業についてはまだまだ勉強中。経験を積みながら栽培技術向上を目指したい」と意欲を見せる。

 25年からは、ドイツ産有機古代小麦を使ったパンの完全予約制販売を開始した。空き家だった蔵の改装から、奥行180㌢あるドーム型の石窯製作まで、すべて自ら手がけた。パンの生地には小麦と水、県産の「薪窯直煮製法のだ塩」、自家製酵母だけを使用。石窯で週1回、約70個のパンを焼き上げる。パンはオンライン販売のほか、期間限定で同市の郵便局で無人販売もしている。羽沢さんは「『次の販売はいつ』などと反響の声をいただくようになってうれしい」と笑顔で話す。

 今年は2回目の収穫を迎える羽沢さん。「品質の良い小麦を栽培できるよう試行錯誤したい」と今後の栽培に向けて意欲を見せる。

栽培および販売状況などは写真共有アプリ(インスタグラム)で発信


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