[2026年10月3週号]
【胆江北】「農業がやりたかった。病気で重いものを持つのは難しいが、やる前から諦めたくはなかった」と話すのは、北上市飯豊の齋藤智仁さん(38)。体への負担を軽減させるため、農作業時にアシストスーツを使用する。また、ネズミによる食害を防ぐため、土中に残ったサツマイモを取り除くなど、丁寧な作業を心がける。
重量物持ち上げの負担軽減
齋藤さんが15歳の時に、成長と共に背骨が左右に曲がる病気が発覚。「家族からは『農業は難しいのでは』と言われたが、諦めたくはなかった」と2019年に就農した。現在は主に両親と妻の4人でサツマイモ14㌃、キュウリ8㌃などの野菜を栽培し、地元の産直に出荷する。齋藤さんは会社に勤めながら、平日の朝夕と休日に農作業を行う。

アシストスーツを着用してサツマイモが入ったコンテナを持ち上げる齋藤さん。アシストスーツの重量は3.8㌔
20年にアシストスーツを購入。スーツ内に空気がたまることで太ももが固定され、腰にかかる負担を軽減するという。専用のポンプを使い、手動で空気をためる。齋藤さんは「体にハンデがある人がどうしたら負担の少ない農業をできるか考えた。土などの重いものを持つ時に使用している。負荷がかかりづらく、疲れにくくなった」と効果を実感している。
これからも自分のペースで
「新しい畝を作る時にサツマイモが残っていると、ネズミがマルチを食い破って侵入する」と齋藤さん。サツマイモの収穫を終えた10月末に土中に残ったつるや茎、収穫できなかった小さな芋などを手作業で取り除く。また、25年は夏場の降雨量が少なかったため、干害対策として畑に50㍍ほどホースを引っ張り散水した。母の富喜子さん(71)は「農業を頑張ってくれてうれしい」と笑顔を見せる。
「栽培した野菜のPRに生かしたい」と18年に野菜ソムリエの資格を取得した齋藤さん。「体力的に大変な面もあるが、自分の裁量で計画を立てて進められるのが農業の魅力。これからも自分のペースで作業を頑張りたい」と話す。

アシストスーツ